令和3年2月24日

2021年大学入学共通テストの
英語(リーディング)問題に関する見解

2021年2月
精糖工業会

2021年1月16日・17日に実施された大学入学共通テストの英語リーディングで、甘味料に関する英文を読解する問題が出題されました。

その英文の内容やその英語読解問題が全国的な大学入学共通テストとして出題されたことについて、既に日本食品添加物協会より、主に添加物に関する記述について、「多くの方々に不利益をもたらすものであり、適切ではない」との見解が示されています。また、その内容については、朝日新聞や一部の専門誌にも取り上げられています。*1

当会は砂糖の業界団体として、砂糖・糖類に関する正しい知識の普及を目標に取組んでいますが、当該英文中には、砂糖・糖類に関しても誤解を与えかねないと考えられる記述があります。その観点から、以下に精糖工業会としての見解を示させていただきます。

なお、具体的な英文の指摘箇所や当会見解の詳細については、資料1をご参照ください。

1) 砂糖・糖類は高カロリーではない。

英文中に「砂糖のような一般的な高カロリー甘味料…」との記述がありますが、砂糖・糖類は炭水化物の一種であり、炭水化物は蛋白質と同じ4kcal/gです。また脂質は9kcal/gです。砂糖・糖類は、ごはんやパンや肉等と比較して、決して高カロリーな食材ではありません。

2) 砂糖・糖類は肥満の直接的な原因ではない。

英文中に「たくさんの添加糖類は、私たちの体に過度の体重増加や他の健康上の問題など、悪影響を与える可能性があります」とあります。肥満は、1日の総摂取カロリーが消費カロリーを上回ることで生じます。従って、砂糖・糖類に限らず、ごはんやパンや肉も、食べ過ぎて一日の総摂取カロリーが過剰となれば、肥満の原因となります。砂糖・糖類という食材が特別に太りやすい、ということではありません。なお、本件に関連する解説論文*2 が当会ホームページに掲載されていますので、ご参照ください。

*1

  • 日本食品添加物協会ホームページ:「2021 年大学入学共通テストの英語(リーディング)問題文に対する見解(令和3年1月)」
  • 朝日新聞(2021.1.30夕刊):「甘味料 誤認される恐れ、英語問題 業界団体が見解」
  • 食品化学新聞(2021.1.28):「波紋を広げる共通テストの英語問題、高甘味度甘味料安全性で誤った認識」

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