主な甘味料と分類

甘味料ってなに?

甘味料は大きく糖質系甘味料と非糖質系甘味料に分けることができます。
糖質系甘味料とは、ブドウ糖や果糖、砂糖など、糖質として分類されるものです。
ほとんどの糖質系甘味料は天然にも存在しますが、食品の原材料として使われる場合、砂糖以外のほとんどの甘味料は、天然の素材を原料に用いて工業的につくられています。デンプンを分解してつくられる異性化糖や水あめ、砂糖や乳糖を原料にしてつくられるパラチノースや各種オリゴ糖などがこれにあたります。
また、糖質系甘味料には「糖アルコール」と総称されるものがあります。
アルコールというと酒類を連想するかもしれませんが、酒類と糖アルコールは全く違うものです。しかし、両者の化学式を見てみると、その構造式の中で水酸基(OH基)という同じ原子団を持っているという共通点があります。ソルビトール、マンニトール、エリスリトールといったものがこれにあたります。
一方、非糖質系甘味料は、ステビア、グリチルリチン等の天然由来の甘味料と、アスパルテーム、サッカリン等の化学的に合成された甘味料とに分類できます。
いずれも、砂糖の数十倍~数百倍の甘さを持つため、実際の使用量が微量となり、そのため、エネルギー(カロリー)がゼロとされているものが多いです。天然由来の甘味料には、天然の素材を更に酵素などを使用して味質を改善し、利用しやすくしたものがあります。

甘味料の分類図

図

*分類上の便宜的な名称であり、表示等に使用する場合は関係法令を参照のこと

「甘さ」の持つ特性

人間を含め、動物が甘味を感じる場所は、舌にある味蕾(みらい)です。
味蕾には、ある距離を挟んで、突起した場所と穴のように窪んだ場所が規則的に配置されており、その場所に甘味物質がはまることにより甘さを感じます。従って、どんな物質であれ、味蕾にはまる形が同じであれば、その物質は甘味を持つことになります。
味には甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つの基本味があります。このうち、苦味は毒物、酸味は腐敗を連想させるシグナルとして、動物にとってマイナスのイメージと言われます。塩味はミネラルと毒物両方を感じさせるものとして、時にプラス、時にマイナスのイメージを持たせるものと言われています。
一方で、甘味とうま味はマイナスイメージのない味と言われています。物心の付かない乳児に砂糖水を与えると笑顔を見せるという実験結果がありますが、甘味は「安心して摂取できる」と無意識かつ本能的に感じているためだろうと思われます。

砂糖とその他の甘味料 特性比較一覧

図

※1:「甘味度」ここでは、砂糖の甘味度を1として、他の甘味料の甘味度(固形分換算)を示している。

※2:ステビア、サッカリン、アスパルテームは文献・資料に基づいた値。それ以外の甘味料は「栄養表示基準(食品表示法)」に基づいた値。

※3:1g当りのカロリーは糖類と同程度だが、強い甘味があるため使用量が少なくなり、低カロリー甘味料として使用される。

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